耳を塞がないので装着した状態でも外の音声が自然に聞こえ、つけっぱなしにできることで人気のオープンイヤーイヤホン。
私も昨年からJBLの『SOUNDGEAR SENSE』、今年Soundpeatsさんからご提供頂いた『GoFree 2』と2つのオープンイヤーイヤホンを使用していますが、その使いやすさ、手軽さにハマっています。
装着した状態で問題なく会話もできるので充電時以外は何らかのイヤホンを身に着けている状態です。
そんな中、今年2024年の2月と3月に、今後オープンイヤーイヤホンの定番と言われるようなイヤホン2機種が発売になりました。
2024年2月20日に一般発売されたHUAWEIのFreeClip、
少し遅れて2024年3月5日に発売されたBoseのUltra Open Earbudsの2機種です。
HUAWEI FreeClipは一般発売前にクラウドファンディングで入手することができ、入手した方のレビューによると評判がすこぶる良く、
Bose のUltra Open EarbudsもKithと言うアパレルブランドとのコラボモデルが先行発売されており、こちらのレビューもこれまたかなり評判が良いと言う状態でした。
これはもうぜひ両方使ってみたいと言うことで、両方ともamazonで予約購入しました。
両方手元に届き、今現在両方を使用している状況です。
せっかくなのでHUAWEI FreeClip、Bose Ultra Open Earbudsの2機種を比較してみたいと思います。
デザインと装着感について
同じイヤーカフ型のイヤホンですが、デザインはかなり違います。
HUAWEI FreeClipは細く、繊細な雰囲気で、さり気なく身に着けられるデザイン、

対してBose Ultra Open Earbudsはスタイリッシュですが主張が強いデザインで、身に着けると目立ちます。

どちらもイヤホンらしくないデザインなので、耳に装着すると良くも悪くもイヤホンではなくイヤーカフにしか見えません。
ファッションアイテムとして使える一方、普段アクセサリーを身に着けない人は装着に抵抗がある可能性もあります。
装着感は、両方とも考え抜かれて設計されているので快適です。
実際に装着した感じは、HUAWEI FreeClipの方は見た目通り軽い装着感で、耳に引っ掛かっているだけと言う感じなので長時間使用していると本当に着けていることを忘れるくらいです。

Bose Ultra Open Earbudsも快適は快適ですが、耳にガッチリホールドされるので、長時間使用の際も着けていることを忘れるとまでは行きません。

この辺り、使用する人によって個人差はあると思いますが、個人的には装着感に関してはHUAWEI FreeClipの方が好きです。
音質について
音質に関しては、HUAWEI FreeClip、Bose Ultra Open Earbuds共にそれぞれ音楽鑑賞にも動画視聴にも充分満足出来るレベルです。

HUAWEI FreeClipは中高音が綺麗に鳴り響き、低音もしっかり出て広がりのある音が楽しめます。
低音がしっかり出るとは言え重すぎず、全体的にバランスの取れた良い意味で軽めの音なので、装着して音楽を流しっぱなしにしても充分日常生活が送れます。
外音にも音楽にも集中できる、ながら聞きのためにチューニングされた音だと思います。
対してBose Ultra Open Earbudsは、聴いて驚いたのですが「さすがBose!」と言う、オープンイヤーではあり得ない音が響きます。
中高音は解像度の高い綺麗な音、重厚な低音が鳴り響きますが決してうるさいわけではなく質の高いきれいな低音。
恥ずかしながら私は今回これが初めてのBoseのイヤフォンなのですが、「これがBoseか!」と唸るばかりです。
普通に聴いていても素晴らしい音なのですが、イマーシブオーディオと言うモードをオンにするとあり得ない臨場感で、前方にあるスピーカーから音が出ているように聞こえます。
これを一度経験すると他では満足できないような、素晴らしい臨場感です。
両者を音質の面で比較すると、音楽を聴くと言う点においては全ての面でやはりBose Ultra Open Earbudsが上回っているように感じます。
ですが、HUAWEI FreeClipも決して悪いと言う訳ではなく、これはこれとして聞くならむしろ良いと言えます。
同じイヤーカフ型のイヤホンですが、音質に関しては両者の目指す方向性の違いが顕著に表れているように感じました。
集中して音楽を聴くならBose Ultra Open Earbuds、音楽をBGMとしてながら聞きを楽しみたいならHUAWEI FreeClipと言う感じです。
(もちろん両者ともアプリである程度自分好みに音質調整が可能)
操作方法と機能について
操作方法について
HUAWEI FreeClipはイヤホンのどこか(どこでも良い)をタップすることで曲送り等の操作ができます。

Bose Ultra Open Earbudsは左右のイヤホンに物理ボタンがあり、ボタンを押すことで各種操作ができます。

イヤホンから操作できる項目は以下の通りです。
HUAWEI FreeClip | ダブルタップ・・・通話開始/終了、音楽の再生/停止 トリプルタップ・・・曲送り |
Bose Ultra Open Earbuds | ボタン1回押し・・・通話開始、音楽の再生/停止 ボタン2回押し・・・通話終了、曲送り/曲戻し ボタン2回押し(2回目長押し)・・・音量を上げる/下げる ボタン長押し・・・イマーシブオーディオの切り替え、モードの切り替え、音声アシスタント、接続機器の切り替え(アプリから割り当て) |
タップと物理ボタンの差はありますが、HUAWEI FreeClipはシングルボタンに機能が割り当てられていないので誤動作はほぼありません。
パッと見た感じ、Bose Ultra Open Earbudsの方がイヤホン側からできることが圧倒的に多いですね。
HUAWEI FreeClipも再生、停止等最低限の操作はイヤホン側から出来ますが、使えば使うほど音量調整が出来ないことがなかなか不便に感じます。
オープンイヤーイヤホンって室内と屋外で聞こえ方が結構違うので、外に出るたびにスマホを取り出して音量を上げるのが少し面倒です。
それ以外はまあ、HUAWEI FreeClipの出来ることの少なさも許容範囲ですが、イヤホン側からの操作に関してはBose Ultra Open Earbudsが圧勝と言った感じです。
アプリから設定できる機能について
HUAWEI FreeCripのアプリ
HUAWEI FreeCrip,Bose Ultra Open Earbuds共にスマホにアプリをインストールして色々と設定することができます。
まず、Huawei FreeClipのアプリの画面はこちら。

接続センターと言うメニューを開くと、ペアリング済みの機器が表示されます。

HUAWEI FreeClipはマルチポイント対応なので同時に2つの機器と接続することができます。
ここから優先して接続するデバイスを選択することが出来るのですが、これ結構便利ですよね。
私はスマホを最優先デバイスに設定し、他はPCやゲーム機を接続できるように設定しています。
サウンド効果を開くと、音質が4種類から選択できます。

プリセットが4種類しかない上に、自分でイコライザーを調整できないのは若干寂しい感じがします。
ジェスチャーを開くとイヤホンタップでの操作を設定できます。

左右イヤホンのダブルタップ、トリプルタップに割り当てる機能を選択できます(機能については後述します)。
あとは設定画面からその他いくつか設定できます。

低オーディオ遅延や、左右の自動切替等が設定できます。
このHUAWEI FreeClipですが、驚くべきことにイヤホンに左右の区別がありません。
両耳に装着したらイヤホン側で自動で左右を判別します。
これ初めて見ましたが、恐らく初の技術なんじゃないですかね?
Bose Ultra Open Earbudsのアプリ
Bose Ultra Open Earbudsのアプリの画面はこちらです。

モード、ソース、イコライザー、イマーシブオーディオ、ショートカット、ヒントのメニューが並びます。
まず、モードを開くとステレオ、イマーション等のモード選択画面が開きます。

+をタップすると、その他自分の好きなモードを設定することができます。
イマーションとは、音質のところで少し説明しましたが、Bose独自の”前方から音が聞こえてくる”空間オーディオを楽しめるイマーシブモードを楽しめるモードです。
Bluetoothを開くとペアリング済みの機器が並びます。

Bose Ultra Open Earbudsにはマルチポイント機能がないため、接続先の機器をその都度切り替える必要があります。
この画面から接続先の機器を切り替えることができますし、イヤホンのボタン長押しで切り替えることもできます。
イコライザーを開くと音質設定画面が開きます。

HUAWEI FreeClipと同様、こちらもプリセットは4種類しかありませんが、表示される波形(画面上部)に三つのポイントがあり、これを自由に動かして好きな音質を設定することができます。
イマーシブオーディオは文字通りイマーシブオーディオの設定画面です。

オフ、静止、移動を切り替えることができます。
「静止」は音の聞こえる方向を前方に固定、「移動」は頭の向きに合わせて常に正面から音が聞こえてくるように設定できます。
私は普段イマーシブオーディオを使用する際は「移動」を使うことが多く、集中して動画視聴する際に「静止」を使うと臨場感が高まるのでそんな感じで使い分けてます。
ショートカットからはイヤホンのボタンを長押ししたときの操作を設定できます。

私は左には機器の切り替え、右にはイマーシブオーディオ変更を割り当てています。o
その他、Bose Ultra Open Earbudsには、外音の大きさに合わせて自動でイヤホンのボリュームを変更する機能があります。

静かな屋内から雑音の激しい屋外に移動する際に自動でイヤホンのボリュームが上がり、静かな場所に戻るとまたボリュームが下がると言う便利な機能です。
アプリまとめ
それぞれアプリから設定できる項目、機能には違いがありますが、設定項目の多さに関してはBose Ultra Open Earbudsが勝っています。
Bose Ultra Open Earbudsにはイマーシブオーディオやボタン長押しでの接続先切替等、独自の素晴らしい機能がありますが、マルチポイントに対応していません。
その点はHUAWEI FreeClipの方が便利です。
Bose Ultra Open Earbudsはアップデートでマルチポイントに対応させると言う噂があるので、できるだけ早く対応して欲しいと思います。
その他、HUAWEI FreeClipには低オーディオ遅延設定や左右の自動切り替え等がありますが、普通に動画を見る分にはBose Ultra Open Earbudsも遅延は気になりませんし(シビアなアクションゲーム等なら遅延があるかも知れません)、左右の自動切り替えが本当に必要かと問われるとそうとも言えない気がします。
バッテリー持続時間について
それぞれのバッテリー持続時間は以下の通りです。
HUAWEI FreeClip | イヤホン単体:8時間 ケース併用:36時間 |
Bose Ultra Open Earbuds | イヤホン単体:7.5時間 ケース併用:19.5時間 (イマーシブオーディオ使用時はイヤホン単体で4.5時間、ケース併用で12時間) |
バッテリーに関してはHUAWEI FreeClipの方が優れています。
Bose Ultra Open Earbudsも単体で7.5時間も持てば充分ですが、イマーシブオーディオを使用しているときはバッテリー残量が気になります。
価格について
HUAWEI FreeClip、Bose Ultra Open Earbudsそれぞれの価格は以下の通りです。
HUAWEI FreeClip | 27,800円 |
Bose Ultra Open Earbuds | 39,600円 |
Bose Ultra Open Earbudsの方が価格が約12,000円も高いことを考えると音質、機能に差があることは当然なのですが、
約12,000円も差があるにも関わらず、Bose Ultra Open Earbudsと比較してみようと思わせるHUAWEI FreeClipの完成度は素晴らしいと思います。
単純に、「高くて機能が多いからBoseを選ぼう」と言う感じではなく、HUAWEI FreeClipはHUAWEI FreeClipの良さがあります。
まとめ

「価格」の項目にも書きましたが、同じイヤーカフ型のイヤホンとは言え、27,800円のHUAWEI FreeClipと、39,600円のBose Ultra Open Earbuds、約12,000円も価格差があるイヤホンを比較すること自体おかしいような気がしますが、比較しようと思わせてしまうHUAWEI FreeClipの出来は素晴らしいと思います。
Boseが好きな人、音楽を素晴らしい音質で集中して聴きたい人はBose Ultra Open Earbuds、ながら聞き用イヤホンとして音楽や動画をカジュアルに楽しみたい人はHUAWEI FreeClipと言う選び方で良いと思います。
Boseにこだわりがなく、単純に予算が30,000円までしか取れないと言う人もHUAWEI FreeClipを買ってしまって良いと思います。
装着感に関してはそれぞれ好みがあると思いますが、音質に関してはHUAWEI FreeClipもBoseを知らなければ満足できる素晴らしい音、低音、中音、高音とその辺の同価格帯のイヤホンには負けない程度のクオリティはあります。
あとは、イヤーカフ型のイヤホンってぱっと見アクセサリーにしか見えないので、音質や機能等、いろいろとこだわりのない人は見た目の好みで選ぶのもありだと思います。
私は現在、両方のイヤホンを併用していますが、メインとして使用しているのはBose Ultra Open Earbuds、マルチポイント接続の方が便利な場面ではHUAWEI FreeClip、家族とリビングで過ごす際もHUAWEI FreeClipと言う感じで使い分けています。
Bose Ultra Open Earbudsがマルチポイントに対応したら更にBose Ultra Open Earbudsの使用機会が増えると思います。
冒頭にも書きましたがBose、HUAWEIから今後イヤーカフ型イヤホンの定番と言われるような素晴らしいイヤホンが相次いで発売されました。
今後JBLやSONY等も間違いなくイヤーカフ型の新製品を投入してくると思いますが、どのようなアプローチで設計されるか、デザインに関しても楽しみです。
イヤホンって面白いですね。
動画『イヤーカフ型イヤホンの傑作!Bose Ultra Open EarbudsとHUAWEI FreeClipを比べてみた!』
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