部屋を掃除していたら数年前に購入した格安プロジェクターが出てきました。
『Exquizon E08』と言うLEDプロジェクターで、Amazonで購入履歴を確認したら約5年前に6,980円で購入していました。
いわゆる格安プロジェクターです。
当時Amazonのレビューがそこそこ良かったので初プロジェクターとして購入しましたが、少し試して投射映像にガッカリし、すぐにXGIMIのフルHDプロジェクターに買い換えました。
これが格安プロジェクターから買い替えたXGIMIの『H1』です。
そして、その後に購入した、バッテリー搭載、Android TV内蔵で手軽に持ち運べるので今一番利用する機会が多い、XGIMIの『MoGo Pro』です。
せっかくプロジェクターが3つもあるのでそれぞれスクリーンに投影し、映像を比較してみたいと思います。
それぞれのプロジェクターの主なスペック
まず、それぞれのプロジェクターの映像に関する主なスペック、価格は以下の通りです。
Exquizon E08 | XGIMI H1 | XGIMI MoGo Pro | |
明るさ | 1500 ルーメン | 900 ANSIルーメン | 300 ANSIルーメン |
投影解像度 | 800 × 480 | 1920 x 1080 | 1920 x 1080 |
台形補正 | 垂直±15° | 水平±30° 垂直±35° | 水平±40° 垂直±40° |
価格 | 6,980円 (2016年当時の購入価格) | 95,554円 (2017年当時の購入価格) | 74,800円 |
映像に関するスペックはこんな感じです。
数字だけを見るとExquizon E08は値段の割に明るさが1500ルーメンで台形補正もできてそこそこ良いプロジェクターな感じがしますよね。
でもこのスペック表の明るさには大きな落とし穴があります。
プロジェクターの明るさの単位で良く使われている『ルーメン』と『ANSIルーメン』は両方ともプロジェクターの明るさを表す単位として使われていますが、格安プロジェクターの明るさの単位として使われている『ルーメン』には注意が必要です。
プロジェクターについて調べればすぐにわかることではありますが、私もExquizon E08を購入した当時は、「この価格で1500ルーメンなら明るくて良いじゃん!」のような感じで特に調べもせず購入し、実際の映像を見て後悔しました。
ルーメンとANSIルーメンの違い
プロジェクターの明るさを表す単位としての『ルーメン』、『ANSIルーメン』の違いを簡単に説明します。
ルーメンは一般的に明るさを表す単位として使われていて、プロジェクターの明るさを表す単位としても使われています。
最近のプロジェクターではあまり見受けられませんが、過去、プロジェクターから大きなスクリーンに投影すると、映し出された映像はスクリーンの中心と端の部分等、部分部分で明るさにわかりやすくばらつきがあることがありました。
そう言ったプロジェクターから映し出されるばらつきのある映像の明るさをわかりやすく表す単位として採用されたのが『ANSIルーメン』と言う単位です。
ANSIルーメンはスクリーンを縦横9つに分割し、それぞれの明るさの平均値を出した数値です。
ANSIルーメンはプロジェクターがスクリーンに映し出す映像の明るさを表す単位として信頼できると覚えておいて問題ないと思います。
一方、格安プロジェクターの明るさを表すのに使われている『ルーメン』と言う単位ですが、気を付けなければいけないのは、ルーメンが厳密にどこの明るさを表しているか決まっていないと言うことです。
決まっていないのをいいことに、格安プロジェクターの場合、スクリーンに映し出す映像の一番明るい部分だけを抜き取ってルーメンとして表記したり、悪質な場合は映像ではなくレンズそのものの明るさをルーメンとして表記している場合もあります。
スペック表のルーメンの数値を信じて格安プロジェクターを購入し、実際に映像を見てみたら予想していたより暗いことがあるのはそのためです。
最近ではプロジェクターの技術が進歩して映像の明るさにばらつきを感じることがなくなってきたので、高級プロジェクターでもANSIルーメンではなくルーメン表記のものが多くなっています。
そう言った広く知られている信頼できるメーカーのルーメン表記の数値はそのまま信頼しても大丈夫です。
全く聞いたことないメーカーの格安プロジェクターのルーメン表記には気を付けてください。
3つのプロジェクターの映像を比較
ルーメンの説明が長くなってしまいましたが、実際に3つのプロジェクターから映像を投影して明るさを比較してみます。
90インチのスクリーンに約2メートル強離れた位置から台形補正を使用し、3台全て同じ条件で投影しています。
夜に部屋を真っ暗にして投影した場合と、下の画像のようなライトをつけた場合で比較します。
台形補正を使用するとどうしても若干画質が劣化してしまうと言う問題はありますが、一般家庭で台形補正を使用せずに真っすぐにスクリーンに投影できる環境ってなかなか難しいと思うので、台形補正ありきで考えたいと思います。
XGIMI MoGo Proの映像
まずは300ANSIルーメンのXGIMI MoGo Proの映像です。
スクリーンを動画撮影したものから切り出した画像です。
真っ暗な部屋で投影
MoGo Proを真っ暗な部屋で投影した場合、以下のような映像になります。
明るさにムラがなく、クッキリきれいな映像で長時間視聴しても疲れません。
映画等視聴するには充分な明るさです。
ライトをつけた部屋で投影
MoGo Proをライトのついた部屋で投影すると画像のような見え方になります。
見えないことはありませんが、全体的に薄くなってしまっているので映画等の視聴は少し厳しいです。
XGIMI H1の映像
次に900ANSIルーメンのXGIMI H1の映像です。
MoGo Proと全く同じ条件で投影して撮影したものです。
真っ暗な部屋で投影
H1を真っ暗な部屋で投影すると画像のような見え方になります。
暗い部屋での投影だとMoGo Proとそんなに差はないように思えますが、肉眼で見ると明らかにH1の方が映像が明るくクッキリしています。
映像の明るさで部屋全体が明るくなるほど明るいです。
ライトをつけた部屋で投影
H1をライトのついた部屋で投影すると以下の画像のような見え方になります。
多少色が薄くなりますが、充分クッキリ見やすい映像です。
周囲が明るい状態で投影するとMoGo Proとだいぶ差がでてきます。
現在購入可能なXGIMIのプロジェクターだと、Haloが最高800 ANSIルーメンなのでこれに近い映像になると思います。
Exquizon E08の映像
最後に1500ルーメンのExquizon E08です。
これも他の2つと同じ条件で投影して撮影したものです。
真っ暗な部屋で投影
E08を真っ暗な部屋で投影するとこんな感じになります。
明るいと言えば結構明るいのですが、1500ルーメンって数字はどうなのかな?と言う感じです。
900ANSIルーメンのH1と比較するとかなり暗いです。
明るい部屋で投影
明るい部屋で投影するとこんな感じです。
周囲の明るさに負けてしまっています。
画像ではMoGo Proとそんなに大差ないように見えますが、肉眼で見ると明らかにこちらの方が周囲の光に負けてしまっていました。
このE8の映像には気になるところがあって、上の画像ではわかりにくいのでもう一枚画像を貼ります。
こんな感じでわかりやすく中央と四隅で明るさにムラができています。
このプロジェクターは値段が値段ですし、解像度もそんなに高くないのである程度画質については目をつぶろうと思っていましたが、私がこのプロジェクターの使用やめたのはピントの問題です。
こんな感じです。
画面全体にスッキリピントを合わせることができません。
この画像だと中央にピントを合わせているので下の字幕がブレてしまっています。
台形補正を利用せずに正面から投影すればもう少しマシかも知れませんが、私の環境では台形補正を使わないと投影できないので諦めました。
まとめ
手元にある3台のプロジェクター、300ANSIルーメンのMoGo Pro、900ANSIルーメンのH1、1500ルーメンのExquizon E08を投影して比較してみました。
900ANSIルーメンのH1はさすがに明るく、昼間、多少外の光が入る状態でもきれいに投影できます。
ANSIルーメンの数値が高ければ高いに越したことはないのですが、暗い部屋で使用するなら300ANSIルーメンのMoGo Proで充分きれいな映像を楽しめます。
300ANSIルーメン以上あればホームシアターの用途として実用的と言った感じですね。
上の画像を見てもらえばわかると思いますが、5,000円前後の格安プロジェクターには注意してください。
環境や個体差によって見え方に違いはあるかも知れませんが、私が購入した格安プロジェクターの映像は上の画像のような感じです。
映像の明るさにムラがあったりピントが合わなかったりスペック表からはわからない部分に問題があることがあります。
とりあえずプロジェクターでホームシアター気分を味わいたい、とスペックの数値だけ見て安易に安いプロジェクターを購入すると後悔することになります。
私が購入したE8は格安プロジェクターにしては明るい感じではありますが、1500ルーメンは絶対にありません。
体感ではMoGo Proより暗かったので、10分の1くらいがちょうど正確な明るさな気がします。
それにしてもXGIMIのH1は2017年に購入してから5年近く経ちますが、今でも何の問題もなく動いています。
映像に全く不満がないので買い替える気はありませんが、同じXGIMIの新しいフルHDプロジェクターの『HORIZON』、XGIMI初の4Kプロジェクター『HORIZON PRO』は良いですね。
両方とも2200ANSIルーメンなので単純にMoGo Proの7倍以上、H1の2倍以上の明るさです。
Android TV内蔵なのでWiFi環境があればコンセントを繋ぐだけで高画質の映像が楽しめます。
更にHarman Kardonの高音質スピーカーまで搭載していてこの価格って他にありません。
H1を5年近く使用しても何の問題も起きていないことからXGIMIのプロジェクターは品質に関しても安心です。
これからプロジェクターを購入するなら、用途や予算に合わせてXGIMIの『HORIZON』か『HORIZON PRO』、『Halo』や『MoGo Pro+』がおすすめです。
購入はXGIMIの日本正規代理店のビーラボさんの販売サイトGlimpse(下記バナー)から購入するとサポートも安心です。
(HORIZONシリーズは6月下旬発売予定で現在予約受付中です。)
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